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専門的なご質問 

2005年06月22日
ステンレス製刃物の錆び

現在使用しているステンレス製刃物が錆びて困っています。海外物なので問い合わせ返答が非常に遅く明確な返答が帰ってこないのが現状です。原因調査方法についてアドバイスお願いします。
 ・切られる刃物の解析方法(何を調べる?)
 ・切られる物の何が影響しているかの解析方法
 ・水分の影響についての調査方法
  ⇒どの程度の水分が錆びに影響するか?

ステンレス製の刃物が錆びるとのお話ですが、刃物といいましても色々あろうかとは存じますが何をお使いでしょうか?
ステンレスは確かに錆びにくい材質では御座いますが、その使用条件、状況、メンテナンスの仕方などによっては錆びてしまいます。
例えば、塩分を含んだ食品を切った後に洗わずに放置する、鉄系の材料を切断した後に切屑などを除去しないで保管したなどの場合は、腐食の要因となります。
また材質のグレードによっても耐食性が異なります。例えば、SUS430よりSUS304の方がニッケルが含まれている分腐食しにくいなど。
包丁などの刃物の場合、切れやすさをよくするために高炭素のステンレス鋼を用いるようです。(炭素量が少ないとやわらかいために切れにくい。)
しかし高炭素のステンレス鋼は低炭素ステンレス鋼よりも耐食性が劣り、錆びやすいという欠点があります。(炭素鋼の方がステンレスよりも硬いため切れが良い。しかし錆びやすい。)
海外製とのお話でしたので、材質の特定が難しいかもしれませんが、もし原因調査をされたいのであれば県の技術センターに分析をお願いしてはいかがでしょうか?そちらであれば広島県立東部工業技術センターで分析してもらえるかと存じます。

http://www.toubu-kg.pref.hiroshima.jp/irai/

<追録>
ステンレスの耐食性を左右する成分はCr(クロム)、C(炭素)量です。Cr含有量が多いほど、C含有量が少ないほど錆にくいと言えます。
焼き入れ・焼き戻し、特に焼き戻し条件の影響はあります。
厨房などで使用されていますSUS430というステンレス鋼種の場合、Crが16~18%、Cが0.12%以下となっており、ご使用の鋼種と比較しますと、Crはほぼ同等、Cは0.8%程多く含まれておりSUS430より耐食性が劣るのでないかと考えられます。またご使用の刃物の加工の仕方によっても耐食性に違いが出るようです。
ただしこれは材質自身の耐食性の違いですので、日頃の使用環境や保管の仕方などによって錆びの進行に大きな違いが出てくるものと思われます。

※材料に関するお問合せは吉川金属へお願いします。<お問合せ先