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知識の蔵 

2007年11月14日
ステンレスの腐食形態(錆び)とその対策

腐食は複合的な原因が多く、下記の内容で十分解決できない場合もございます。
下記に加工上の対策、設計上の対策を書きましたご参考にして下さい。

(1)加工上の対策
ステンレスは表面の不動態皮膜(1~3nm)の働きによって、多くの環境で優れた耐食性を示します。しかし、置かれた環境によっては、不動態皮膜の保護性は不十分な状態となり、種々の腐食を引き起こします。通常、SUS304・SUS430は室内ではほとんど錆びません。そのものが置かれた環境により錆が発生します。また、手入れの仕方により錆びの発生は全く変わってきます。
 
これらの腐食形態は次に示すように湿食と乾食に分類され、さらに湿食は全面腐食と局部腐食に分類されます。一般的に比較的多く見られる腐食形態は湿食(水による腐食」)で応力腐食割れと孔食がおおく発生します。
 
■湿食(水中)
◆全面腐食
酸化力の弱い酸の環境下で腐食が全面に進行するもの
 ⇒ 適正な材料選定・コーティング実施。

◆局部腐食
・応力腐食割れ
原因:残留応力・塩素イオン・溶存酸素
 ⇒ ショットピーニング・なまし実行。(応力除去)
(応力がかかっていて特定の腐食環境にあるとき)

・孔食
原因:塩素イオン・溶存酸素
 ⇒ 酸化スケールの除去・研磨。(汚れが付着しにくい)
(塩素イオンが存在したり表面に異物が付着したとき)

・すきま腐食
原因:すきま・塩素イオン・溶存酸素
 ⇒ すきまをつくらない。酸化スケール除去・研磨
(パッキンの合わせ目等すきまが存在するとき)

・粒界腐食など
原因:溶接熱影響部(クロム欠乏部)
 ⇒ ローカーボン材を使う。(クロム炭化物)
(オーステナイト鋼の粒界に炭化物が析出しているとき)

■乾食(空気中)
酸化など
 ⇒ 適正な材料選定・コーティング実施。


(2)湿食における設計上の対策
①適正な材料選定・表面処理が基本になります。
②容器等では、できるかぎり突合せ溶接を用い裏波溶接(裏ガスを出す)を行う。(すきまを作らない)
③容器等では、異種金属は接触状態(電流が流れる状態)にしない。
④表面は凸凹がないように研磨仕上げする。(鏡面仕上げの方がホコリゴミが付着しにくく腐食しにくい)
⑤必要に応じて電解研磨、不動態処理実施。
⑥液のたまりをなくす。
⑦メンテ掃除のしやすい形状とする。